「わたしはオシーン
フィアナ騎士団で唯一生き残った詩人
わたしが奏でる詩は戯れ言なり
真実か
まぼろしか
その判断は聞き手の貴方に委ねよう」
すべては
同じ細胞なのに
楽しんでいたり、苦しんでいたりする
地球上のあらゆる矛盾の種を
感じることが「旅」だと思った
次の自分が
行動を起こすために
その遺伝子を持っている者に託された
必要な行為
第四部 旅の終わりと始まり
ふたたびダブリンのバス・ステーションに着いた~
今では本当にホッとする街のホット・ステーションだ
明後日の朝には、いよいよ出国しなければならない
よくしてくれたデイビッドさんにも会いたかったので「タウン・ハウス」に行ってみる
もしも安い部屋があったら、泊まろう
そして明日はツーリストらしくダブリンの美術館めぐりをするのもありなんじゃないか
あまりにもあの日と違った「タウン・ハウス」に泊まった
ルーム#223「The Broken」
窓を開ければ
べランダの下に、こじんまりしつつも優雅な中庭があり
近所のレストランからなのか、若者たちの高らかな祝いの歌声と、初夏のような甘い香りの空気が部屋の中に入ってくる
今夜、18年前に池袋文芸座で観た映画「ザ・コミットメンツ」の世界が展開された
絵に描いたダブリン、よすぎるぞ~
あの夜のタウン・ハウスはバレンタインの奇跡だったのか
結局二度とお会いすることのできなかったデイビッドさんは本当に実在していたのか
ベランダのない窓の外の駐車場に立っている係員と目が合いそうになりながら
思う
部屋のラジオから「レット・イット・ビー」が流れている。
8日目
アイルランドの滞在もあと一日
ダブリンを歩き回ることにした
当初、街行く人々が自信ありげに見えたのは、信号が赤でも堂々と渡るから注意深くなってるんだなーと思った(注意しないと死んじゃう)
ニューヨークでも、赤で渡れと言われた
都会はホームレスや物乞いが多い
スーパーの前でお金を渡しながら説教しているおばちゃんもいる
ゆっくりと街と人々と建物を見てまわる
アイルランド国立博物館コリンズ・バラックス
↓
チェスター・ビーティー・ライブラリー
↓
アイルランド国立博物館キルデア・ストリート
↓
アイルランド国立美術館
芸術に身をまかせた後
また街を歩き続ける
これでもかというほどに
あたりまえだが、中心から離れるほど
実際の市民の生活感が漂ってくる
そして迷った
ずっと反対方向に歩いていた
グランド・カナル・ドックスから、夕日で水面がキラキラ輝くリフィ川に出た
旅の終わりにふさわしい光景がドワ~ッと拡がる
まだ一日が30時間はあった少年時代の初夏
友達と別れて家に帰る、少しもの悲しい空気が漂う夕暮れと重ねあう
その空にはカラスがいた
出発は朝なので、空港に泊まることに決定
空港までは直行バスではなく、一番安い41番のバスに乗るものの、通勤ラッシュは計算に入れていなかったよー
バックパックの体勢に困る
ちゃんと降りられるかなぁ
空港の2階のテーブルで、レシート、パンフレットなどなどをまとめて整理する
今までの旅の想いがぐるぐると走馬灯。。。。
タヒチからイースター島~ハワイでのロミロミを通じて覚醒~ベトナムのタッチセラピーが、今までの海外のイオ・ヒーリングの経過
たったひとりで他の国に入国したのは20年前のイギリスが始めてだった
たぐいまれなる容姿と巧みな英語力のおかげでイミグレーションで8時間軟禁されつつ
その後には人生を左右する音楽イベント「エナジー」を体験することができた
再生の島、久高
自分がだめになった時
自分が映画の主人公のように輝くことが許されると教えてくれたオキナワ。。。。
いま那覇空港のような、もののけ溢れるダブリン空港にいることを思い出した
あら~イスが片付けられ始めてきたー
クローズなの?
「となりのマクドナルドは、やってますよ」とおねえさん
マックでハンバーガーとファンタ!で整理活動のつづき
しかし、夜もふけたころ、またも追い出される
しかもさっきのおねえさんが、もくもくとイスをテーブルに上げていく
レッド・ツェッペリンの「移民の歌」は流れていない
朝までぼうっとすることに腹をくくった
意外と楽しい。
9日目の朝を迎える
皆が起き始める
朝の空港ほど、人が癒されるスペースはないだろう
ハープの音が、耳には聞こえない粒子として空気中にフワフワ浮かぶ
ついに帰国の時が来た
アイルランドの大地よ!ありがとう
皆に伝えるよ
出国手続き
入国時には問題なかった先の丸い携帯ナイフとフォーク、洗濯ものかけ用ビニールロープが没収される
手足が縛れるっていう理由を勝ち誇ったように語る赤ら顔の係員
たのむよエア・リンガスー
アムステルダムの空港に着いた
トランスファー時間に余裕があったので、空港内を探索
久しぶりの日本語があちらこちらで聞こえてくる
空港内に美術館がある、空港外にも行きたいわー
旅の最後を演出すべく、スタイリッシュなレストランでボロネーゼのパスタとビールを注文した
パスタが美味しい!
食後のコーヒーはやめておけばよかった
前のテーブルにはそうとう酔っ払ったパイロット風(休日かコスプレなのだろう)の兄ちゃんと彼女(かもしれない)が楽しそう
ウェイトレスの女の子の感じがいい
自分が世界を飛び回る国際人に思えるような応対をしてくれる
さようならヨーロッパ!
世界最高級のサービスのKLMに乗り込む
世界的戦略なのか、行きはゴージャス、帰りはしょぼい
イースター島でのランチリ航空もそうだった
帰りの座席シート41番は音声機器故障で、39番へ移動するもライトは点かない
来た時のように資料を調べることはないから、まぁ~いっか
それより映画映画~
エンディングが観れなかった「リトル・ミス・サンシャイン」はと
ない
ていうか、国内線のように遠くに画面が備え付け
メニューは
「花より男子ファイナル」
。。。。
「ウォーリー」は
画面が小さすぎて、これで初めて観た人は何だか展開が早いなーくらいしか印象に残らないだろう
いい映画なのにー
機内サービスに頼るのはやめた
旅をふりかえることに時間を費やす
入国のドアを出た、さあどうするか
このどうしようもなく困った、でも何か嬉しいような、不安と期待が入り混じるアルマジロ的な感覚もイースター島ぽい
イースター島はスペイン語、タヒチはフランス語、ここはいちおう英語
なので、空港内の観光案内所の特に神経質そうなメガネをかけているおばちゃんにアタックー
「マン島に行きたいんですけど」
「は?」
「マン島に行きたいんですけど」
「?」
「あなた何をいってるのかわからないわ」
がさごそ地図を見せる
バスに乗るときは、いつも確認
「スライゴーに行きますか?」
ポール・マッカートニー似の運転手
「スライゴーだって?」
「あんなに素晴らしい所は俺は知らないね」
ジョークで切り返すなっちゅーの
ドキドキするだろー
グッドマンが、ビジター・センターに戻る途中の分かれ道で自分だけ降ろしてくれた
「着いたよマイフレンド、いい旅を」
ダウスは誰もいない
「こんにちは」
例によって、ぐるぐるな模様の石たちが迎えてくれる
中には入れないものの、周辺を自分もぐるぐる
活力が満ちてくる
やはり一人でつながる時間は大事なのだ
いみじくも
ポートラッシュの6000万年前~キャロウモアの6000年前~聖パトリック1600年前~ダブリンで近代芸術の世界の時を味わった
不思議な国のとっても不思議な旅
ありがとう
機内サービスの日清カップヌードルをずるずるすする
日本はもうすぐ
到着直前、窓から光が射し込んだ!
アマテラスかパトリックか忍者ハットリくんなのかはわからない
イヤホンからは、こてこてのヒーリングミュージックが流れているので
受け入れればいいだけのことだ
成田に着いた
京成線に乗ると
「よゆうのゆうちゃん」
出発の時と同じ山田優ちゃんの広告
ものごとそのものに意味はない
意味を意味づけるのは「愛」でしかありえない
旅の幕は閉じられた・・・・
これが旅の全貌です。
思考で、これに出会ってこう成長したではなく
ただエネルギーに出会った
「であうべくして」
思考を細胞に落とし込んだ旅、自分に起こることの全ては宝
最果ての西の島アイルランドと最果ての東の島ニッポンとのつながりは思っていたよりも遥かに強固だった
愛の国では、3と6がラッキーナンバーだと自分は感じた
足して9の2009年にその地に足をつけることができた
まだまだ見所があるものの、本当に充実した9日間だった
球体の地球上で生きている自分を、毎日意識し続けることは難しい
そもそも本当に球体なのか、映像でしか見ていないのに
自分は常に予測することに慣らされていた日本人だった
今回の旅をとおして
予測不能の困難に立ち向かい、経験していくこと
予想をはずすことによって、より拡がりが出るということ
どんなことでも、うわっつらでなく、全力で表現すればうまくいくってこと
ほんの少し実感した
何が起こるのかわからないのが人生の楽しみ
自分は
いのちを伝える
魔術を使う平和の日本人道化役として
やすらぎをわかちあう魔法を
堂々とドーンと
使いたいと思うのです
思考を否定せずにパートナーとして、新しいところに行くことが
あのイースター島から始まったイオ・ヒーリング
In・Out
人生の旅は回り続ける
プラスとマイナスのバランスをとる渦
ラウンドアバウト
常に答えは存在しない、やるだけだ
本当の故郷をめざす
戦いを終わらせて
助けることなく助ける、この「じぶん」のために。。。。
「他人を同情してまわるなんて、一種の自己満足ですね
わたしはあまりそういうことをしません
わたしはただ、恐ろしい苦難から抜け出られない人がたくさんいることを知っている
だから、人間が苦しみから抜け出すのはわけないと思っている連中を見ると、
腹が立ってきます
ある人々は、他人からの大きな助けをほんとうに必要としている
わたしはそう思います」
(カート・ヴォネガット)
この伝記を読んでいただいた
また、そうでない方々に最高峰の幸福が降り注ぎますよう
最高峰の感謝を贈ります
大いなる母に捧げる
なぜ今アイルランドだったのか。
まるで2009年のアイルランドと今日の日本を結んだかのようなタイミングで読ませてもらいました。
郷里懐
本当にありがとうございます
記憶を文章で残した甲斐がありました。